喘鳴とは
喘鳴(ぜんめい)は、狭くなった気管や気管支を無理に通る空気でのどが笛のように鳴っている状態で、「ゼーゼー・ヒューヒュー」という異常な呼吸音が連続的に発生します。気管支喘息の発作や異物誤飲などによって起こります。
気管支喘息で喘鳴が起こると、痰の分泌が盛んになって気道を塞ぎ、呼吸困難になります。発作時に適切な治療を行うことで症状は数分で治まりますが、放置していると命に危険が及ぶ可能性もあります。喘鳴がある場合、必ず呼吸器科を受診して発作を防ぐための治療を受け、発作を起こした時のための治療薬を処方してもらうことが重要です。
喘鳴を起こす原因
喘鳴を繰り返し起こす気管支喘息では夜から朝方に発作を起こすことが多く、アレルギーや小児喘息の有無や喫煙歴、ペット飼育の有無、職業や仕事環境なども発症に影響するため、問診でしっかりお話をうかがいます。適切な治療のためには、アレルギーや呼吸器の異常などの有無をしっかり確かめることが必要です。
アレルギー検査には、皮膚反応テスト、血液検査、吸入誘発テストなどがあります。吸入誘発テストは血液検査で陽性反応が出て、必要があると判断された際に行います。
呼吸器の状態を確認するためには、胸部X線検査、呼吸機能検査、喀痰(かくたん)検査、気道過敏性検査などから必要な検査を行います。呼吸機能検査は、肺活量などをチェックします。喀痰検査では、痰を採取して細胞診や細菌検査を行います。
喘息の治療
喘息は発作を予防するために長期的な服用が必要なコントローラー(長期管理薬)と、発作が起きた時に応急処置として使い症状を和らげるリリーバー(発作治療薬)を使って治療を行います。
重要なのは症状や状態に合わせて処方をきめ細かく変えて、適切なコントロールを維持することです。
喘鳴を起こさないために
体調管理を行うことで、喘鳴など喘息発作を起こさないようにすることが可能です。体調管理ノートをつけることでご自分の発作がどんな時に起こりやすい傾向があるのかがわかります。また薬の飲み忘れを防ぐためにも有効です。
呼吸機能のセルフチェック
「ピークフローメーター」という器具があると、ご自宅で呼吸機能をセルフチェックすることができます。十分に息を吸ってからピークフローメーターのマウスピースを口にくわえ、思いきり息を吐いて計測します。数値が悪くなったらすぐに受診することで、発作の予防や悪化させないための治療につなげます。
生活習慣の改善
こまめに掃除してハウスダストを減らす、外出時にはマスクをつけて湿度を保つ、疲労やストレスをためないようにして睡眠をしっかりとるなどを心がけましょう。禁煙と禁酒も必要です。